概要
初診時(1999年12月)49歳女性の患者様 審美障害が主訴で来院されました。左上の中切歯が生まれつき欠損しており、本来前歯は右上犬歯から左の犬歯までに6本ありますが、この患者様は5本で前歯部の左右のバランスが悪いために治療することになり、まず矯正専門の歯科医院に依頼しました。左上の中切歯のスペースを確保するために左上4番目の歯を抜きました。そこに歯を移動してスペースを確保し、インプラントを埋入して審美性を回復しました。
1 「歯を綺麗にしたい!」と訴えて来院されました。お話を聞く間に気づいたのは、口元の中心がずれているように感じられるということです。
2 左の真ん中の前歯が欠損しているため、前歯がシンメトリック(左右対称)ではありません。詰めものの変色も気になります。歯ぐきの状態にも問題があります。
3 むし歯や歯ぐきの初期治療後に矯正治療をしました。上の歯は、裏から治療しました。
4 下の歯は表から治療しましたが、余り目立ちません。裏からもできますが、舌を傷つけ易くなります。
5 前から見た写真です。矯正治療で、左の前歯のスペースができました。その部分は、仮歯が入っています。
6 矯正治療が終了して、仮歯を外した状態です。
7 先天欠損した部分にインプラントを植立しました。
8 インプラントを植立したレントゲン写真です。
9 スマイルラインです。患者様には満足していただけました。
10 下の前歯はレーザーで漂白しました。その歯の色に合わせて、上の前歯はセラミックの歯にしました。
副作用とリスク
成人の矯正は骨の成長発育の促進や、抑制ができないため、抜歯となりました。しかし、第二次成長期以前に矯正治療をしている場合には、抜歯する必要はなかったもしれません。この患者さんは矯正装置を見せたくないとのことで、上顎は舌側(裏)矯正を選択しましたが、表から矯正する場合よりもワイヤーの長さが短くなるため、個々の歯にかかる矯正力は強くなり、歯根吸収(歯根が短くなる)の危険性があります。この患者さんは、上下顎の矯正治療を行い、咬合の安定をさせたので、後戻りのリスクは少ないと思われますが、経過観察は必要です。
欠損した歯を回復する方法は入れ歯、ブリッジ、インプラントの3種類から選ぶ必要がありますが、それぞれの利点欠点を説明し、インプラントを選択されました。インプラントは外科手術を行うため、出血や僅かな腫れが起こる可能性はあります。全身状態の既往はなく、口腔内も歯周病はありません。
この患者様は歯茎や歯槽骨が薄いThin-Scallop typeで、乱暴なブラッシングをしたり、歯周病に罹患すると上顎では歯茎が上に上がり金属が見えるなどの審美的な問題が出る可能性があります。定期的なメインテナンスは必要です。
費用
インプラント1本 インプラントの土台 セラモメタルクラウン6本
詳細
CT撮影
8000円
インプラント
18万円 X 1本
インプラントの土台
6万円 X 1本
セラモメタル・クラウン
12万円 X 6 歯(1歯はインプラント)
下顎前歯部の歯の漂白(ホーム)
24000円
下顎前歯部の漂白
98万4千円
(保険治療と他院でやった矯正治療そして消費税は含まれていません。)
概要
初診時(1995年2月)48歳の男性患者様 「歯がないけど、もう入れ歯はいや」と来院されました。インプラントと義歯の違いとそれぞれの利点欠点、副作用そしてリスクを説明し、患者様はインプラントを選択しました。当時のインプラントは機械研磨されたインプラントで、上顎の成功率が約85%下顎が約92%との報告がありました。そのため上顎は使用する本数よりも2本多く埋入し、8本埋入しました。現在ではインプラントの表面をサンドブラストや酸処理することにより成功率が高くなったため余分に入れることはありません。またインプラント埋入後の二次手術までは6ヵ月とされていましたが、現在は3ヵ月です。その後8日空けて下顎に6本のインプラントを埋入し、1996年3月二次手術を行いました。そして5月にインプラントに仮歯を装着して、噛み合わせや審美性を確認し、11月に最終補綴物を装着しました。
1 歯は歯周病で無くなっています。「総入れ歯を入れるの嫌」が主訴でした。
2 歯が一本もなくてもインプラントで治療することができます。
3 上顎には合計で8本インプラントを入れました 。使用したのは6本ですが、将来問題がでても対応できるように予備で2本入れています。
4 下顎には合計で6本入れました。下顎の方が成功率が高いので予備は入れていません。当然予備に入れたインプラントは料金はいただいておりません。
5 レントゲン写真(パノラマ)です。「このレントゲンを見る度に、患者様のご苦労を感じます。」
6 笑った時の写真です。
7 下顎に金属が見えていますが上下左右を広げる道具を入れて写真撮影していますので、金属が見えています。笑っても話しても見えません。
8 上の歯の状態です。
9 下の歯の状態です。
副作用とリスク
歯周病で全ての歯を失った患者様でも、インプラント周囲炎になる可能性は高いので、定期的な検診とクリーニングが必要です。それを怠ると、インプラントが抜ける危険性があります。歯は人工歯を使用しているため、その場でその日に修理することはできるという利点がありますが、磨り減りが多くなった場合には人工歯を交換する必要があります。特にブラキシズム(歯ぎしり)のある方は磨り減りが大きくなります。
費用
インプラント12本 インプラントの土台 上部構造(上下)
450万円(保険治療と消費税は含まれていません)
概要
矯正専門医の紹介で来院された20代の女性の患者様で、左上の2番目の歯が先天欠損していました。通常は矯正治療が終了してから、インプラントを入れ、3〜4カ月後にクラウン(被せ物)を入れますが、できるだけ治療期間を短くしたいという理由から、左上2番目のスペースを確保し、先にインプラントを埋入しました。矯正治療が終了し矯正装置を除去した日に印象採得(型取り)を行い、インプラントに被せ物をしました。
1 矯正治療の途中です。
2 インプラントを植立するスペースができました。
3 矯正治療が終了し、インプラントを植立しました。インプラントに連結した土台が、写っています。
4 インプラントに連結された土台を裏から見た写真です。
5 レントゲン写真です。
6 笑ったときの写真です。
7 喜んでいただきました。
副作用とリスク
この患者様は矯正治療をされているので、後戻りのリスクがあります。また、インプラント手術後に炎症症状(発赤、腫脹)が出る可能性があります。
費用
36万円(保険治療と他院でやった矯正治療そして消費税は含まれていません)
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インプラントの一般的な副作用 リスクもお読み下さい。
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